大切な人が亡くなった後にやってくる「相続手続き」のリアルと守るべき期限とは
大切なご家族との別れ。深い悲しみの中にあっても、残されたご家族には現実的な「手続き」が次々とやってきます。
今回は、多くの方が直面する相続手続きのリアルと、いざという時に困らないために知っておきたい「期限」に重点を置いて分かりやすく解説します。
相続手続きで知っておくべき「3つの期限」
相続手続きには、法律で定められた厳格な期限が存在します。まずはこのスケジュール感を把握しておくことが大切です。
1. 最初の壁:「7日以内」(死亡届の提出)
一番最初に行うべきことは「死亡届」の提出です。亡くなった事実を知った日から7日以内に市区町村の窓口へ提出します。
葬儀の準備などで最も慌ただしい時期ですが、提出が遅れると火葬の手続きが進められなくなるため、速やかに行う必要があります。(※通常は葬儀社が代行してくれるケースが多いです)
2. 要注意!:「3ヶ月以内」(相続放棄の検討)
ここが非常に重要なポイントです。もし亡くなった方に借金などの「負の財産」があった場合、何もしないと残された家族がその借金を丸ごと背負うことになってしまいます。
これを回避するための「相続放棄」は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きをしなければなりません。
「うちは分ける財産がないから」と放置していると、数ヶ月後に突然借金の督促状が届いて手遅れになるリスクがあるため、注意が必要です。
3. 税金の申告:「10ヶ月以内」(相続税の申告・納税)
遺産総額が一定の金額(基礎控除額)を超える場合、相続税の申告と納税が必要です。期限は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。
「10ヶ月あれば余裕がある」と思われがちですが、財産調査や不動産の評価、誰が何を相続するかの話し合い(遺産分割協議)には思いのほか時間がかかります。
期限以外の大きな負担:「戸籍集め」と「口座凍結」のリアル
期限のある手続き以外で、ご遺族の大きな負担になるのが「戸籍の収集」です。
銀行口座の解約や不動産の名義変更(※相続登記)を行うには、亡くなった方の「生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本」を隙間なく揃えなければなりません。
💡 知っておきたい最新の法改正
- 相続登記の義務化: 不動産を相続したことを知った日から3年以内に名義変更を行うことが義務化されています。
- 戸籍の広域交付制度: 最寄りの役所窓口で全国の戸籍をまとめて請求できるようになり、以前より収集の負担は軽減されました。
広域交付制度で便利にはなりましたが、昔の手書きの戸籍(改製原戸籍など)を読み解き、誰が法定相続人になるのかを正確に確定させる作業は、依然として複雑です。
少しでも抜け漏れがあれば手続きはストップし、その間、故人の口座は凍結されたままになってしまいます。
まとめ:一人で抱え込まず専門家へご相談ください
悲しみの中で、日々の生活やお仕事をこなしながら、これほど複雑で期限のある手続きを進めるのは、心身ともに大変な負担となります。
私たち行政書士などの専門家は、単に書類を作成するためだけにいるのではありません。ご遺族が故人と心置きなくお別れをし、ご自身の生活を一日も早く取り戻すための「時間」と「安心」を作るために存在しています。
「何から手をつければいいか分からない」「期限に間に合うか不安」という時は、決して一人で抱え込まず、どうぞお早めにご相談ください。
当事務所では、障害がい福祉に関する「事業の立ち上げ」から「運営サポート」まで行っております。顧問契約や、権利擁護に関するご相談もお気軽にお寄せください。


