「認知症になる前」と「なった後」。成年後見と任意後見の決定的な違い✋

こんにちは。沖縄県浦添市の行政書士×社会福祉士の潮平です。

成年後見と任意後見

「親が認知症になったら、銀行口座が凍結されてお金が下ろせなくなる」
最近メディアでもよく取り上げられるので、事前の対策として後見制度を検討する方が増えてきました👀

でも、この後見制度に「法定後見」と「任意後見」の2種類があることは意外と知られていません。この違いを理解せずに何となく手続きを進めてしまうと、いざという時に「こんなはずじゃなかった」「家族なのにお金が自由に使えない」と後悔することになります😓

一番の違いは、制度をスタートさせるタイミングです。
法定後見は、すでに判断能力が低下してしまった「後」に使う制度、
任意後見は、まだ判断能力がしっかりしている「前」に備えておく制度です。

すでに判断能力が不十分な場合、親族などが家庭裁判所に申し立てをして「法定後見」がスタートします▶️

この制度の強いところは、強力な取消権があることです。たとえばご本人が悪徳商法などに騙されて不要な高額商品を買ってしまっても、後見人がその契約を法的に取り消して財産を取り戻せます✅

ただ、注意点もかなり多いです。まず、誰が後見人になるかは選べません。「長男の私がやります」と立候補しても必ず通るわけではなく、財産の額や親族間の状況によっては、裁判所が弁護士や司法書士、社会福祉士、行政書士などの専門家を選任するケースが約8割を占めます。この場合、専門家への報酬が基本的に亡くなる若しく判断能力を回復するまでずっと発生し続けます🙏

また、財産の使い道が厳格に制限されます。制度の最大の目的が「本人の財産を減らさないこと」だからです🫵「孫の大学の入学金を援助したい」「相続税対策のためにアパートを建てたい」「株で運用したい」といった、本人への直接の利益にならない財産の動かし方は、原則として一切認められなくなります🙇

一方で「任意後見」は、ご本人の判断能力がしっかりしているうちに、「将来、自分の判断能力が衰えたらこの人に後見人を頼む」とあらかじめ契約を結んでおく制度です。この契約は必ず公正証書で作ります✒️

こちらは自分で後見人を選べるのが大きな特徴です。信頼できる家族や親族、付き合いのある専門家など、自分の意思で自由に決められます。「施設に入る時はこの預金から使ってほしい」など、自分の希望やライフスタイルを契約内容に盛り込むこともできます🌱

ただ、法定後見のような騙されて契約したものを取り消す法的な権限はありません。そして、いざ認知症が進行して任意後見をスタートさせる際、家庭裁判所によって「任意後見監督人」という後見人をチェックする人が選任され、この監督人に対する報酬が発生します💰

どちらの制度が優れているという話ではありません。すでに認知症が進行していたり、精神疾患で判断能力が無くなっていれば法定後見一択になりますし、まだ元気で「将来は信頼できる身内に財産管理を任せたい」という明確な意思があるなら任意後見が有力な選択肢になります!
また財産の状況によっては、任意後見ではなく家族信託を組む方が安全なケースもあります🤏

一番危険なのは、「よく分からないからとりあえず今は何もしないでおこう」と先送りにすることです🤏
判断能力が失われてからでは、自分で後見人を選ぶ任意後見や、柔軟な財産管理ができる家族信託といった事前対策の選択肢は完全に消滅します💧
手遅れになる前に、専門家へ現状を相談して、ご自身の家庭に合った制度を選んでおくことを強くお勧めします💪